《MUMEI》

「オマエ‥すげーのな」

「そうかい‥?」

「アタシなんか‥全然先の事とか考えてねーし」

「行き当たりばったりも悪くは無いかも知れないけどね」

「は‥?」

「始めから全てが決まっている訳じゃないし──自分で好きなように道を作って行くのもいいと──僕は思うよ」

「‥よく分かんねーけど‥ちょっと納得」

「まぁ、君は無理に仕事をする必要は無いしね」

「何でだよ」

「僕が働いてさえいれば──それなりに暮らしは立てて行けるだろうから」

「何の話してんだ‥? オマエ‥」

「将来の事に決まっているだろう?」

「だァから‥何なんだよその将来って──」

「僕と君が結婚して──一緒に暮らすという事だけど」

「は‥ッ!?」

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