《MUMEI》

「お腹いっぱいになった?」

「──ぁぁ、ご馳走さま」

「──ふふっ」

「?」

「ホッペにクリーム付いてる」

「ぇ、ぁ‥‥‥‥」

「日向ってケーキ食べる時、絶対──クリームホッペに付けてたよね」

「───────」






恥ずかしそうに、

日向は俯いた。





「ねぇ?」

「ん──」

「またあたしが、前みたいにケーキ食べれるようになったら──」

「お腹いっぱい食べような、2人で」

「──台詞取らないでよ」

「スイマセン‥」

「謝んなくていいから」





あたし、

嬉しいんだから。





「──ひなた」

「?」

「誕生日──‥おめでとう」

「──ぁぁ」





日向は、

ニッコリ笑った。





「──ありがとう、那加」

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