《MUMEI》

どよめく男達を後目に、〆華は続けた。



『私は兼松様との勝負に、この身を賭けております…。


同様に兼松様は大金を賭けてらっしゃいます。


こうして互いに花札に興じるのも何かのご縁でございましょう。



事情をお察しすると、何やら兼松様のお命を頂戴するご様子…


となれば…私めが兼松様に最期に求められた女という事になります…。



勝負をおざなりに兼松様の願いが叶えられなければ、私もいささか寝付きが悪うございます。


ここは、勝負の行方を最後まで見届けて頂けませんでしょうか?』



〆華は淡々と申し述べた。

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