《MUMEI》

「君にも出来なくは無いと思うよ」

「──マジかよ」

「努力をすればの話だけどね」

「‥今ので一気にやる気失せたし‥」

「フ──」

おかしくなって──

思わず笑っていた。

──するとすかさず。

「何でそこで笑うんだよ」

珠季が

不満げに言った。

膨れっ面をした珠季は

まるで──

食料を口一杯に頬張った小動物。

思いの外可愛い。

「‥何だよその顔──」

「ぃゃ──‥可愛いなと──」

「かッ‥可愛くねーよ」

「可愛いじゃないか」

「だァからっ‥可愛いくねーっつってんだろ‥!?」

「──仕方無いな──」

「なッ‥」

「ほら、これを見ても否定出来るのかい?」

以前

2人で取ったプリクラを見せると。

「アタシ別に‥可愛いとかそーゆーの‥」

「満更でもなさそうに見えるけどな──」

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