《MUMEI》

「違ぇよっ」

「そういいながら真っ赤だぞ?」

「ぁーもォうっせーよっ」

「君も負けてはいないけどな──」

「〜〜〜〜〜〜‥」

「そういえば‥傘は持って来てあるのかい?」

「──折り畳みのなら」

「本当だといいけどね」

「マジだっつの‥。つーか何でそんなに──」

「去年──時雨の頃は持って来たといいながら忘れて来ていたから少し心配になってね」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「まぁ、相合傘も──悪くは無いと思うけど」

「は!? 冗談じゃねーっ、御免だかんなアタシはッ」

「何故だい?」

「オマエずぶ濡れになって風邪でも引いたらどーすんだよっ」

「ご心配有り難う。けど──僕は濡れた位で風邪は引かないから大丈夫」

「貧血でブッ倒れるくせにか‥?」

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