《MUMEI》

「‥じゃあ‥‥‥俺‥‥‥」





何かを思い出したみたいに、

ハッとする先輩。





「なら、俺‥‥‥」

「先輩‥?」





どうしたんですか‥?





そう思っていたら。





「! 先輩っ‥」





先輩が、

突然扉の方に駆け出した。





そして、

そのまま‥

階段を駆け降りて行ってしまった‥。





「先輩‥‥‥」





私‥‥‥

傷付けてしまいましたか‥?





言わない方が‥

良かったですか‥?





先輩──‥。





私は‥

途方にくれた。

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