《MUMEI》 2人で桜の木の根元に座って、 暫く星を眺めてた。 ──そしたら。 日向が、 あたしの手を握ってきた。 「ひなた‥?」 「──那加の手──小さいな」 「むっ‥何よいきなり‥」 「───────」 日向は、 何にも答えないで、 ただあたしの手を見つめてる。 「‥何よ」 「──白いな、って」 「ぇ?」 「白くて──綺麗な手だなって」 「ぇ」 「手だけじゃないけどな──」 「なッ‥」 ドクンッ、 と心臓が跳ねた。 「ば‥ばっかじゃないの?」 あたしは‥ 陽に当たってないから白いってだけなんだから。 前へ |次へ |
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