《MUMEI》

「アタシは‥‥‥」

「?」

「ぁ"ー‥」

珠季は

どう言っていいのかが分からなくなったみたいだ。

「とにかくアタシはっ‥アタシは──‥オマエと言い合うのが楽しいっつーか‥」

「僕も同じだよ」

「‥真似すんな」

「本当の事を言ったまでさ。尤も──」

「わあった。とにかく飯食っちまおーぜ‥」

「そうだね──」

‥にしても‥。

雨──

相変わらずだな‥。

幾ら梅雨とはいえ──

降り過ぎじゃないか‥?

ここ1週間‥

ずっと降りっ放しだし‥。

「──‥、!?」

「またそーやって陰気になりやがって──」

「ぃ‥いちいち近いんだ君はっ」

「なッ‥、ォ‥オマエがいつも通りにしてねーからだろっ」

「梅雨が明ければ元に戻るよ」

「んな先まで待てるかーッ」

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