《MUMEI》 「──落ち着いた‥?」 「うん‥ありがとう‥」 やっと‥ 私は落ち着いた。 「ね‥、どうしたの?」 加恋ちゃんに訊かれて、 私は苦笑した。 「──逃げられちゃった──」 「ぇ?」 「言ったんだ。好きと恋の事──。そしたら‥何か急に──‥」 「それってさ? 逃げたのかな」 「ぇ」 「もし逃げたんなら──」 「──藍伊いるかー?」 「お兄ちゃん‥?」 どうしてお兄ちゃんが‥? 「流見なかったか?」 「ぇ」 先輩‥ 教室には戻っていないんだ‥。 前へ |次へ |
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