《MUMEI》

──放課後。

まだ

雨は降り続けている。

──みんなが帰り始めた。

「静瑠ー、帰っぞー」

「ぁぁ‥」

「──また今日も塾あんのか、オマエ」

「ぁぁ‥。──途中まで、一緒に──」

「いーけど」

「ぁ‥待て」

「?」

「入らないか」

「は‥? アタシちゃんと傘持って‥、オイッ!?」

僕に引き寄せられて

珠季が僕の傘に入った。

「おまッ‥何すん‥」

「たまには相合傘も悪く無いだろう?」

「オ‥マ‥エ‥なぁ‥」

少々──‥

いや‥

かなりキレ気味の珠季。

「今度やったらただじゃ──」

「ほら、行こう」

「コラッ‥話聞けよっ」

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