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《MUMEI》 ──分かってるんだけど。 あたしは恐がってる。 日向を信用してない訳じゃない。 ‥だけど‥。 「──ゆっくり慣れていけばいいから」 「‥分かってる」 焦る事ないって、 日向が言ってくれたから。 「──ありがとね」 「那加？」 「──ありがと」 あたしがこうして笑えるのは、 日向のお陰。 もし日向がいなかったら、 あたしは笑う事を忘れてたかも知れない。 それだけじゃない。 あたしは日向がいなきゃ── 何も出来ない。 ‥何も。 日向がいて初めて、 あたしはあたしでいられるようになる。 だから日向── ずっとあたしの側にいて。 前へ |次へ |
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