《MUMEI》 兼松は、畳の上に落ちた手札を拾おうと指を伸ばす…。 しかしその指先は震え、たった1枚の札を捲り上げるのに、長い時間を費やした。 取り囲む男達は、苛立ちの顔つきで初老の男を見下ろしていた…。 ようやく札を拾い上げ、〆華と対峙する座につく兼松…。 だがその顔からすっかり血の気は失せ、虚ろな目で自分の手札を惚けて見るばかりだった。 まるでこの札を切った時、自分の命が尽きてしまう現実を噛み締めているかのようだ…。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |