《MUMEI》

兼松は、畳の上に落ちた手札を拾おうと指を伸ばす…。



しかしその指先は震え、たった1枚の札を捲り上げるのに、長い時間を費やした。



取り囲む男達は、苛立ちの顔つきで初老の男を見下ろしていた…。




ようやく札を拾い上げ、〆華と対峙する座につく兼松…。



だがその顔からすっかり血の気は失せ、虚ろな目で自分の手札を惚けて見るばかりだった。



まるでこの札を切った時、自分の命が尽きてしまう現実を噛み締めているかのようだ…。

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