《MUMEI》

「くだらん…人一人の命で得るものにしては軽すぎる」

皐月はぐったりとしているオカマに唾を沢山、沢山吐きかけた。

そして、その唾だらけの死体に左手をかざした。

「哀れな肉人形、来世ではもう少しマシに生きろよ…」

皐月の手から金色の手から放たれるや否や

オカマの体は量子分解し、サラサラと砂のように消えた。

「これじゃまるで死に神だな…」

皐月は悲しそうに呟いた。

涙こそ流してはいなかったが

いや、涙など飾りに過ぎんのですよ!

偉い人にはそれが分からんのですよ!

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