《MUMEI》

ぁぁ‥

また気まずくなってしまった‥。

気を付けているつもりなんだけどな‥‥‥。

どうしてこうも空回りばかり‥。

「──────‥」

ただツイていないのか‥

僕が不器用なだけなのか‥。

「‥何だよ溜め息ばっか付きやがって‥」

「好きでついている訳じゃないさ──‥」

溜め息をついた所でどうにもならない事は

承知済みだ。

けど‥

無意識なんだから仕方が無い。

「オマエって何か変わってんのな‥」

「分かっているさ──僕は変わり者だ」

「ぃゃ、アタシ別に‥」

「努力してみるよ、なるべく明るくいられるようにね」

「ま、取りあえず塾遅れねーようにな」

「君に言われるとは思わなかったな──」

「いっつもアタシがチャラチャラしてっと思ったら大間違いだぜ?」

珠季は

そう言ってニッと笑った。

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