《MUMEI》 「っし、と──」 「教室の時とは逆だね」 「?」 「教室では、僕が右で君が左だったから」 「ぁー‥そーだったな──」 「ところでなんだけど」 「んぁ?」 「途中で寝たりしないでくれよ?」 「なッ‥寝ねーし」 「その言葉が嘘じゃない事を祈るよ」 「うっせーな‥ポップコーン全部食っちまうぞ‥?」 「何っ‥!?」 珠季め‥ つくづく丸め込むのが上手い奴だな‥。 「‥ぁ」 そろそろ‥ 映画が始まるようだ。 「──シズル」 「‥?」 「‥‥‥呼んでみたかっただけ」 「ぇ?」 訊き返したけど‥ 珠季はスクリーンを見つめていて‥ まるで聞こえていないみたいだった。 前へ |次へ |
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