《MUMEI》

「那加──ちゃんと眠れたか?」

「うん──」





ちょっとだけ──

夢見たんだ。





あたしは、

雲の上にいて──

真っ白なワンピースを着て歩いてたの。





背中には、

小さな翼が生えてて──

貯めしに雲を蹴ってみたら、

浮き上がった。





でもね、

あんまり高くは飛べないの。





羽ばたこうとしても、

途中で落ちちゃうの。





何回かやってみて、

やっと高く飛べるようになった。





でも、

急に翼が動かなくなった。





雲を突き破って、

真っ逆様に墜ちて‥。






もうダメかもって時になって‥

誰かに引っ張られた。





──天使。





あたしを引っ張ったのは、

天使だった。

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