《MUMEI》

あたしがありがと≠チて言ったら──

天使が、

ニッコリしたの。





日向に、

そっくりだった。





ううん──

あれは日向だったんだ。





あの天使は──

日向だったんだ、

きっと──。





「何か──いい夢見たのか?」

「うん」

「どんな夢だったんだ?」

「秘密」

「ぇ──」





日向が、

残念そうな顔になる。





「どうしても秘密なのか‥?」

「今は秘密」

「───────」

「日向?」

「何か飲むか? 買って来るけど──」

「後でいい」

「ほんとに──」

「ほんとに」

「──分かった。ぁ‥」

「何?」

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