《MUMEI》

呼んでみたかっただけ──

そう珠季は言った。

本当だろうか‥?

何か‥

言いたげだったようだけど‥。

まぁ‥

後で訊けばいいか‥。

どっちみち

今は訊けないしな──。

‥にしても‥

こんなに静かにしている珠季を見るのは初めてだな‥。

というか僕‥

さっきから映画では無く‥

彼女ばかり見ていないか‥?

「───────」

珠季は映画に夢中で

僕の視線には気付いていない。

気付かれたらまずい訳だけどね──‥。

‥今思ったら‥

僕は彼女に感謝しなければならないんだよな‥。

わざわざ

映画に誘ってくれたんだから──。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫