《MUMEI》

「まだ──ちゃんとは守れてない」

「何で?」

「まだ──‥」

「ちゃんとじゃなくていいの」

「‥ぇ」

「ちゃんとじゃなくていいから──」

「そう‥か?」

「うん」





もう、

十分守ってくれてるから。





──あたしは‥

日向の事守ってあげられるかな。





日向が何かあった時‥

あたしは守ってあげられる‥?





‥どうなんだろ。





ずっと‥

日向はあたしの盾になってくれてる。





あたしは‥

その盾に隠れてるばかり。





自分から立ち向かって行くなんて、

まだ出来そうにない‥。

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