《MUMEI》
真司と他メンバーの疑問
「まぁ、確かに津田さんの推薦があれば会長当選確実なのはわかるけどさ…」


そう言って真司は


何故か、俺を見つめた。


「…何だよ?」

「何で祐也には呼び出し無いのかな、と思ってさ。
拓磨と守はわかるけど」

「あ、私も思った」

「私もです」

「俺も」

「……人気があるのは、確かだよな」


真司の言葉にすぐに瀬川・渡辺・守は同意し


拓磨も、渋々といった感じで、頷いた。


「俺の推薦なんてあっても仕方ないだろう?」


一人反論する俺は


何故か、全員から『無自覚』と言われた。


「なになに? 何の話?」

「志貴さん おかえりなさい」

「祐也、何の話?」


戻ってきた志貴はいつも通り拓磨をスルーした。


(毎回思うけど、楽しそうだな)


志貴は、最初は拓磨を嫌ってそうしていたが


最近は、からかって楽しんでいる節があった。


(拓磨が本当に話を聞いてほしい時は、無視しないしな)


「ねぇ、祐也。何の話?」

「あ、うん。俺に志貴みたいな呼び出しが無いって話」


その時、志貴は


かなり、嬉しそうに笑った。


(何か、…黒い?)

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫