《MUMEI》

「先輩‥」

「──ぇ」

「すいません、あの‥‥‥痛いです‥」

「ぁ‥‥‥悪ぃっ‥」





どんだけ俺力入れてたんだ‥?





「あの──」

「ん」

「ありがとうございます‥」





藤澤が、

ペコッと頭を下げた。





「嬉しかったです──先輩が‥気付いてくれて‥」





ニコッ笑って、

でもすぐに俯いた。





「どーした‥?」

「緋色ちゃん‥‥‥」

「芙原‥?」

「緋色ちゃんも先輩の事好きなのに‥‥‥私──‥」

「ぁ‥‥‥」





そーだ‥

あいつも‥。





あいつも俺を好きなんだ‥‥‥。

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