《MUMEI》
適当!?
「そ、そういえば、志貴は誰の推薦するか決めたのか?」


俺は話題を自分から志貴に移した。


(ちょっと強引だったかな?)


志貴は一瞬驚いた表情をした。


「まだだけど、放課後になったら決めるから、祐也手伝ってくれる?」

「…何を?」

「すぐ終わるから」

「だから何!?」

「志貴さん、俺も…」

「次体育だから、そろそろ行かないと」


(俺もスルー!?)


志貴は笑顔でマイペースを貫いた。


そして、放課後。


「…えーと、これは?」

「アミダくじ。好きなとこに横線引いて」

「あ、うん」


とりあえず、わけのわからないまま、言われた通りにした。


ちなみに


拓磨は、守と真司に引きずられ、部活に行った。


「よし、決まった。協力ありがとう、祐也」

「…よくわからないけど、こんなに適当でいいのか?」


(会長って結構重要なポジションなんじゃ…)


「いいのいいの。五人から三人に絞ったんだけど、三人共同じ位の力量だから、後は、運でしょ?」

「そう、なのか?」

「そうそう」


それから、一週間後の、選挙演説会。


志貴はアミダくじで選んだ候補者の推薦者として壇上に立っていた。

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