《MUMEI》
選挙結果
演説会後、すぐに投票があり、翌日には開票結果が貼り出された。


生徒会長は、志貴が推薦演説した女子に決まり


瀬川が推薦した人物も


そして、真司も無事に当選した。


(よっぽど嬉しかったんだな)


真司は珍しくテンションが高かった。


「ありがとう!渡辺」

「いえいえ。おめでとう」


笑顔で握手を交わす二人を、俺達は微笑ましく見ていたが


そう思わなかった人物がいる事を


俺も、真司もこの時点では気付かなかった。


「そういえば、明皇もこの時期選挙あるのか?」


だから、俺がふと気になったのは柊の事位だった。


「柊は、もうやるまえから会長確実だから。
問題があるとしたら、他の役員達じゃない?」

「どういう事だ?」

「柊に訊いてみたら? そろそろ祐也不足だろうし」

「…どういう意味だ」

「そのままの意味」


志貴の言葉の意味がわからないまま、俺はその日の夜、柊に電話をかけてみた。


《もしもし祐也!?どうしたの?久しぶりじゃん! 希自由登校入っちゃってるし、あんまりそっち行かなくなったから寂しかった!?
俺は寂しかったよ!》


…ワンコールで出た柊はうるさかった。

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