《MUMEI》

そんな事を考えていたら──

何だか笑えてきた。

珠季の反応を想像するだけで──

おかしくなってしまう。

「‥このシーン笑うとこじゃねーぞ‥?」

「!?」

‥気付かれたか‥?

「オマエ‥さっきから全然スクリーン見てねーだろ」

「み‥見ていたさ」

「そーかぁ‥?」

訝しげに

僕を見る珠季。

これでもかという位に‥

顔を近付けてくる。

「チケット代ムダにすんなよな‥?」

「ゎ‥分かってる‥」

だから‥

離れてくれないか‥。

心臓が変になりそうだ‥。

「‥?」

「食え」

「ぇ‥」

この状況で喉を通ると思っているのか‥?

「アタシ全部食えねーからな」

「‥‥‥‥‥‥‥」

そう言われてもな‥。

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