《MUMEI》 明皇の選挙「…あのさ。そっち選挙どうだった?」 やっと本題に入れたのは、柊が俺の体調について細かく質問してきた後だった。 (そういう所、両親の影響受けてるよな) 柊は医療方面を目指しているわけではないのに、質問の内容は、やけに専門的だった。 《あー 選挙、ね…》 「…どうした?」 《…驚かないで、聞いてくれる?》 (まさか、…落ちたのか?) 俺が無言のままでいると 《あ、落ちたとかじゃないから!…もしかして、心配してくれたの!?》 「…してない」 (良かった) 調子にのりそうだから、あえて本音は言わなかった。 《そっか…あのね。選挙しなかったんだ》 「…はぁ!?」 俺は思わず叫んでしまった。 《あ、あのね。会長は俺しか立候補いなくてすぐ決まったんだけど、他が、何か立候補殺到しちゃって…》 (つまり、柊目当てか) 希先輩という彼女がいても、まだまだキング人気は健在らしい。 《…最終的に、投票じゃなくて、俺が指名する事になって》 「いいのか、それ?」 《父さんの時、そうしたみたい》 「…そうか」 《うん》 …何となく、納得した。 前へ |次へ |
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