《MUMEI》

「ねぇ‥?」

「?」

「何で天使の翼なの?」

「那加が──飛べるように」

「ぇ」

「那加が、未来に向かって飛んで行けるように──」

「未来‥?」

「ぁ‥‥‥だから、その‥」

「──ふふっ」

「那加‥?」

「ありがとっ」

「───────」

「照れてる?」

「ぃゃ、ちッ‥違‥」





慌てて、

あたしから目を逸した日向。





あたしは、

そんな日向を見つめながら──

どこまででも、

飛んで行けそうな気がした。

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