《MUMEI》

レーダーに船が映ってた

雅人「助けを求めよう…」
ティファ「敵かも…」

雅人「その時は、その時だ 」

ティファ「…」

レーダーでは、近くのはずだが…真っ暗な海…

船影すら見えない

雅人「…近いはずだが…」
肉眼で視認出来た時…

絶望感が…

深い灰色した軍艦…

ティファ「…」

雅人「行くしかないよ…」
ティファ「…うん…」

雅人「ティファは、女だ… 直ぐ、殺されやしないさ …」

ティファ「…」

雅人「すまん…変な言い方 して…」

ティファ「気にしないで… 」

雅人「交渉の余地があれば …いいが…」

ティファ「…覚悟…決めよ う…」

雅人「そうだな…」



俺はデッキに立ち、手を振った

船の明かりを燈し…



暫くして、ゴムボートが来た

銃を手にした兵士達を乗せて…




トントン

扉をノックされた

ティファ「入るわよ」

雅人「アリサは?」
「なんとか大丈夫、輸血 も出来たから」

雅人「そうか…よかった… 」

俺達が乗った軍艦は
フィリピン海軍の巡洋艦だった

フィリピンは日本、それも水無月のバックアップで完全なる独立国家になった国だ

ティファは、その時に水無月の要人として
フィリピンに滞在して居て、顔が売れてた

俺達は、無事保護されたんだ


船長の話しによると

アメリカとの国交や
日本との国交を考慮すると俺を保護した事実は、上手くない…

政治的配慮を取らざる得なくなるだろうとの事だ

仕方ないだろう…

アメリカの支配から抜け出したとはいえ、
大国との国交は大事な事…
一方、水無月の支援で
電力や真水をふんだんに使える国になったのも事実

その立役者の一員のティファを無下にも出来ない…

俺が本物の雅人かどうかは二の次だった…

雅人「ティファ、アリサを 頼むな…」

ティファ「雅人…」

雅人「俺は、フィリピン国 の出した答えに従うよ… 」

ティファ「…」

雅人「船長に呼ばれてる… 縁があったら、また会お う」

ティファ「雅人?…」
「出来るかぎりの事は… 」

雅人「ティファ…気にする な…俺が選んだ道だ…」

ティファ「絶対、迎えに行 くから…」
「どこに居ても」

雅人「任務だもんな」

ティファ「約束…したから ……貴方を守るって…」

雅人「じゃぁ、また会えた ら、下の髪金、じっくり 見せてくれよな」

笑顔で手を振り、部屋を出た

兵士に連れられ、船長の元へ

俺は、そのまま幽閉された

なるように…なるさ…

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