《MUMEI》 日本へ船から降ろされ 10日が過ぎた… 独房のような所で、何の情報も無く、過ごす毎日だった 衛兵に呼ばれ、ついに その時が来たと、覚悟を決めた俺だったが 意外な展開だった フィリピン国としては、 どこにも風当たりが悪くならないよう 俺を保護した事実を隠蔽すると… 外洋で保護した船に、男は居なかったと… 俺はそのまま移送された 貨物と共に…まる1日 民間人に扮した兵士に案内されたのは港だった 人が行き交うヨットハーバーで 振り返らず、目の前の船に乗れと… なるほど…それでこんな格好を 膝下までのパンツにサンダル、Tシャツにグラサン バカンスに来たような服を着せられてた 外洋クルーザーだった 真っ白で高価な船だ 室外操舵室もあり 後部にはトローリングできる装備まであった 雅人「…」 船に乗り込むと、空調が効いていて、涼しかった 豪華な皮張りのソファーに腰を落とすと 船は出港しだした …… 港を出ると、静かだが、力強い脚取りで船が進む スクリューの船だがエンジン音がしない…燃料電池で動いてるようだった 雅人「なかなかの船だな… 」 しばらくすると 扉がノックされた ティファ「入ります」 雅人「ティファ!」 ティファ「快適な船でしょ 」 雅人「どうなってんだ?! 」 ティファはクスッと笑みを浮かべて言った ティファ「私が守るって言 ったでしょ」 夕食を取りながら、ティファが説明してくれた フィリピン国の計らいで 俺を救助した事実を隠蔽 ティファもだ… 今出た港はタイ国の港で この船の国籍はモナコ モナコは、特別な国で 治外法権なんだ… 軍や国ですら…やたらとその船に危害は加えられない まぁ出来て、入国拒否ぐらいだろう… ティファ「久々のまともな食事はどう?」 雅人「あぁ…美味いよ…」 「アリサは、無事か?」 ティファ「無事、帰国した わよ…帰ってから…大変 かもしれないけど、殺さ れはしないわ」 雅人「…そうか…よかった …」 ティファ「…」 雅人「しかし、ティファ、 俺と居たら、また、君が 危険になる」 ティファ「心配しないで」 「そんなに無能じゃぁな いわよ」 雅人「…」 明るく軽く言うティファだったが、俺は、素直に、その言葉を聞けなかった ティファ「大丈夫よ、楓様 の所まで、無事お連れす るから」 笑顔でティファが言った 確かに、今は、ティファに頼るしか道がない… 雅人「ありがとう…ティフ ァ」 ティファ「あら、随分素直 ね」 この言い方が、ムカつくんだよな… ガキ扱いしやがって… 不機嫌になった俺の顔を見てティファが言った ティファ「子供みたいに、 すぐむくれないの」 カチンときた 雅人「ティファは大人だも んな…」 「大人が約束破るなよ… 」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |