《MUMEI》

『私が勝てば兼松様からお代を頂戴し、あの男らに引き渡すまででございます。』



『………。』



兼松は予想通りの返事に、ただ愕然とし……脂汗を垂らしながら押し黙った。




たかが花札遊びに命を賭けることになろうとは…



醜悪な男は、自らの皮肉な運命に呆れ……またその運命を呪った…。



『最終巡は命を賭した闘いになります…。


…心して張ってください。』



〆華の念押しに、兼松はようやく腹を据え………鋭い睨み返しで応えた。




『何をヒソヒソやってんだ!?』



藤城の側にいた筋者の一人が怒鳴った。



猪俣は、その男を無言のままなだめていた…。

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