《MUMEI》 まさか‥ 買いに‥? 「──────‥」 止めるべきだったな‥。 また彼女に借りが出来てしまった‥。 「──ほら」 「幾らだったんだい‥?」 「何でだよ」 「ぃゃ、その分返そうと‥」 「返さなくていーから」 「けど‥」 「何でオマエはいちいちそーゆー事ばっか考えんだよ」 「何故って──決まってるじゃないか──」 「いらねーならアタシ使うぜ?」 「ぇ」 「冗談だけど」 「どっちなんだ‥?」 「〜〜〜‥とにかく金の事は気にすんなって事っ。分かったな!?」 「ぁ‥‥‥ぁぁ‥分かった‥」 ここで反論すれば‥ また気まずくなるのは目に見えている。 彼女の善意を無駄にしては失礼だし‥ お言葉に甘えさせてもらおうか──。 前へ |次へ |
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