《MUMEI》
「──それ位しか出来ないですよ‥？」

「俺には出来ねーなぁ」

「そうですか‥？」

「俺はずっと──バスケの事ばっか考えてたし‥」

「でも──それがきっと先輩なんですよ」

「俺‥‥‥？」

「練習してる時の先輩──凄く楽しそうで、生き生きしてて。私、そういう先輩を見ると本当に嬉しくて──」

「俺がバスケばっかりに気ぃ向いててもか‥？」

「上手く言えないんですけど‥、先輩は私なんです」

「ぇ‥？」

「先輩は私で、だから──先輩が嬉しいと私も嬉しいし、先輩が辛いと私も辛い──」

「俺が──お前‥？」





なら‥

こいつは‥

俺‥？





「──お前は、俺──」





好きってのは‥

互いが互いになるって事なのか‥？





「すいません、私‥何か変な事言って‥」

「ぃゃ、何となく分かる──」

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