《MUMEI》

昼休みになって、

俺は弁当持って屋上に向かった。





藤澤──

まだ教室にいんのかな。





「──先輩」

「おっ‥藤澤」





何か──

表情明るくなった‥?





「ぁ‥隣り座っていーぜ‥?」

「ぇ、ぁ‥‥‥はい」

「ぁ、ちょっと待った」

「?」

「これ敷いた方がいーかもな、せっかくの着物──汚れちまうと大変だろ?」

「ぃぇ、大丈夫‥」

「っし、こんな感じでいーか」

「──すいません、わざわざ‥」

「いーっていーって」

「ありがとうございます──」





そう言われて、

何かくすぐったくなった。

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