《MUMEI》

──夏祭当日。

珠季とは

彼女の家の前で待ち合わせている。

けど‥‥‥。

「珠季‥?」

まだ出て来ていないんだろうか‥?

「──もうすぐ祭が始まるというのに‥‥‥、?」

「‥!!」

「そこにいるんだろう? 出て来てくれないか──珠季」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「おい‥?」

どうしたというんだ‥?

「珠季──」

「ッ!?」

「何だ──やっぱりいたんだな‥」

「なッ‥バレてたのかよ‥」

「当たり前だ──‥というかこんな所でコソコソと何をして‥」

「コソコソなんかしてねーよ」

「隠れていただろう?」

「だから違ぇッて‥」

「──ほら、行こう。もうお囃子が始まっているよ」

「んなッ‥おい!?」

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