《MUMEI》

紫吾の目はさきにいっとけと言っていた。


綺嘉はゴクリと唾を飲み込んでから勳羅を見た。


「あの勳羅さん、俺血流しすぎて無意識のうちに塁羅の血また沢山飲んじゃったんです。

すみません。」


「しょうがないよ、吸血鬼なんだから別にそれで塁羅が死んだわけじゃないんだろ?」


「もちろんです、でもちょっと怪我をしてラルンさんに預けました。」


「そうか、それより何を報告しに来たの?」


紫吾と綺嘉はいったん目を合わせてから紫吾が喋り出した。

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