《MUMEI》

しばらく呆然と立っているユリウスにルイスはポンと肩を叩いた。


「どうして女ってやつはすぐに泣くんですかね、泣けばいいと思っている」


「俺はヒョーリがただ涙を流したわけじゃないと思うよ」


「それはどういうことですか?」


ユリウスはルイスの顔を見た。


「それは自分で考えてみなティイオラ帰るぞ」


「はい」


ルイスとティイオラは歩き出し、少し距離をあけてからユリウスも歩き出した。

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