《MUMEI》

雅人「……何世紀だよ…… …ったく…」

木島「はかんかぁ!」

バシィ!

雅人「ぐぅっ!…っ」

両手を天井にくくられて
尋問……いや…拷問だな…

木島「水無月は何をたくら んでる!」
「偽者まで用意して!」

雅人「……」

何言ってもムダだろ…
お前には…

木島「答えろ!」

バシィ!

竹刀を背中に振り降ろされた

木島「舐めるなよ…お前… 」

胸倉を掴まれた

木島「お前の死体ぐらい… どうにでも、始末できる んだぞ…」

殺せるなら…もっと違った拷問をするだろうに…

無能な奴だなぁ…

「木島…そのへんにしとけ …」

誰だ…この老人は…

木島「鹿島さん…」

老人が俺の目の前に来た

鹿島「特公、管理部の鹿島 と言う…お前さんの顔を 見に来たんだ」

つるっパゲの愉快な顔のじいさんだった

鹿島「この歳になっても、 隠退させてもらえんのだ 」
「公務員の定年は、とっく に過ぎとるのになぁ…」
俺の周りをゆっくり廻り
顔をじろじろ見ていた

鹿島「木島、生体認証の結 果は?」

木島「はっ!機械の判定は 、本人でした!」

鹿島「どこまで一致したん だ?」

木島「はっ!網膜、指紋、 両手の血管は、一致しま した」

鹿島「…後はDNAだけかい ?」

木島「はい!そうでありま す」

鹿島「……木島よ……お前 はバカか?」

木島「…おっしゃる意味が よく、わかりませんが… 」

鹿島「御本人様だろ…」
「…九分九厘な…」

木島「いや…しかし、神無 月からの指示では…」

鹿島「神無月の何処からの 指示だ?…雅か?…」

木島「…いえ…」

鹿島「木島よ……お前さん …死ぬぞ…」

冷や汗だらだらの木島だった

鹿島「早く、ほどかんか! 」

木島「はっ!はい…」

腕が自由になった…
けど…鬱血してた…

鹿島「雅人じゃな…」

雅人「だから、何度も…そ うだと言ってるじゃない か…パゲ…」

鹿島「ふっはっはっ」
「昔は髪もあったさ…」

「お前の親父のせいで、 すっかり、…こうなった んじゃよ」

雅人「…親父を知っている のか?」

鹿島「……お前に謝らなけ ればならない…」
「わしゃ…雅治を…」
「お前の親父を守れなか ったんだ…」
「……すまん……」

鹿島が頭を下げた

雅人「…」

いきなり、そんな事を言われても

返事のしようがない…

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