《MUMEI》

「ぇぇ‥」

「──さいなら」

「!?」





さいなら‥!?





「ちょーっちょっちょっちょっちょっと待ったぁぁっ」

「‥放せやコラ」

「!!」





さ‥

殺気が‥。





「放せ言うとるんじゃっ、ボケェーッ!!」

「ほぁッ!?」





俺の体が、

宙に舞った。





見事にブッ飛ばされて、

ホールの隅に落下した。





「‥‥‥ぃ‥痛ぇ‥」





骨‥

折れてねー‥

よな‥?





「──何だ何だ‥?」






何か‥

周りがざわつき出した。





ど‥

どうする‥?





「──申し訳ございませんお嬢様──」

「だ‥誰やあんたっ」

「桜庭君の先輩の星と申します」

「星先輩っ、な‥何で──」

「あんたは引っ込んどってや」

「彼は‥桜庭君はまだ見習いでして‥至らぬ所がございます‥。ですが──ひたむきさは誰にも負けません。どうか──彼をお許し頂けないでしょうか‥」

「〜〜〜〜〜ッ‥」





茨姫は、

何も言わずに‥

俺達に背中を向けた。

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