《MUMEI》
魔女と二人
一方その頃、ハンディングに連れられて、修練場に入っていった想花とボンカーは・・
「広い〜〜〜・・・」
修練場の中の一室に入った想花が周囲を見渡して呟く。室内には見えない広い空間、足元は赤土の荒地、所々に岩があり、上を見上げると青い空。
「クリエイトフィールド」そう呼ばれる亜空間でこの空間内で負った怪我は室外に出ると全て修復される。また空間内の内装も自由に変更することができ、様々な条件下での訓練を可能にしている。これは、大気中の魔力を集め擬似的な空間を作成、その中に自分という存在を仮想的に入れることにより怪我などをしないようにしたものである。娯楽などにも利用されているが、この設備を備えている施設は少ない。
「訓練を始めるぞ。」
二人が室内に入るとハンディングが声をかける。
「お願いしまっす!」
「はぁ・・狩月の奴・・うらやましいなぁ・・彩詩団長と二人きり・・」
元気良く挨拶する想花とぶつぶつと呟いているボンカー。ハンディングはボンカーの呟きを無視し、言葉を続ける。
「・・・難しい話は後にする。まずは我に攻撃をしてくるがいい。力量が見たいのでな。」
そう言うと10メートルほど距離をとって止まる。
「了解です!」
杖を構え、魔力を収束していく想花。一方ボンカーは・・
「やれやれ・・やるとするか。」
大きくため息をつくと、小型の杖を取り出す。
「ほぅ・・フィアルワンドか。中々良い杖を持っているな。そっちの方は・・スペルロッドか、初心者には丁度いいであろうな。準備が良いなら攻めて来るがいい。遠慮は要らぬぞ・・」
そう言いながらゆっくりと魔法を紡ぎ始めるハンディング。
その言葉が終わるか終わらないうちに・・
「マジックショット!!」
詠唱破棄のマジックショットを想花が放つ。
4つの光弾がハンディングへと向かう。

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