《MUMEI》

「ぁ──やっぱイカ焼きの匂いだったんだな」

「ぇ」

まさか‥

本当にこれに釣られて来たのか‥?

「──よっ」

「‥ぁ」

「ごっそーさ〜ん」

「!?」

取られた‥。

「──ぉ、そーだこれ‥」

「‥何だ‥?」

「ほいっ」

「だから‥これは何だって訊いているんだけど‥」

「スーパーボール」

「スーパーボール‥?」

何か凄いボールなのか‥?

「オマエ、これ知らねーの‥?」

「しッ‥知っているさ、これ位‥」

ぃゃ‥

本当はあまり良く‥

というか全く知らないと言うべきか‥。

「──────‥」

見栄を張るのは良くないと‥

分かっているのにな‥。

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