《MUMEI》

「じゃぱん……」


「私の国です。富士山知ってますか?」


「フジ……?」

当時アジアはざっくりとしかイメージ出来なかった。


「小守とは、御苦労なことだ。」


「あ……悪魔!」

黒い着物の氷室千石は俺には悪魔と刷り込まれていた。


「悪魔……、ふふ。違いますよ。この方が貴方が山で倒れていた所を助けてくれたんですよ?」

モモの笑い声に反応して千石も意味深な笑みを浮かべる。


「名前も思い出せないのだろう?自分のモノには名前を付けなければな……千守、貴様は千守だ。」

紙に、知らない文字が書かれた。


「千守……」


「千に守で千守……素敵な名前ですね。」

洗礼のような美しい儀式てはなく、病室のベッドで目覚め頭に突然、与えられた名前だった。

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