《MUMEI》

すると…



兼松の目に、白地に紫色した植物が描かれた、地味な柄が飛び込んできた。



『ああぁ糞ッ!…糞ォッ…!!』



兼松は、嗚咽にも似た声を洩らした。



その狼狽ぶりを見下ろしていた藤城は、フッと含み笑いを洩らす。



それは「藤のカス」だった…。



「藤」は、どの場札とも交わることなく、虚しく場に添えられた。



これで兼松の手札はすべて無くなり、総文数も46文で確定した。



五十路男の命運は、〆華の最終巡の結果に委ねられた…。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫