《MUMEI》

やっと、

藤澤がOKしてくれたんだって実感して──

嬉しくなった。





「──ありがとなっ」





こんな、

飾りっ気ない言葉しか言えねーけど、

俺──





「ありがとな、藤澤──」





俺、

めちゃめちゃ嬉しいんだ。





試合で優勝すんのと同じ位、

ぃゃ──

それよりも嬉しいのかも知れない。





今まで、

バスケだけが大事だった。





けど、

もう1つ大事なものをみつけた。





藤澤が教えてくれなきゃ──

俺、

たぶんまだ‥

気付かなかった。





お前が、

気付かせてくれた。





俺が、

お前の事好きなんだって──。

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