《MUMEI》

「ぁぁ。それより──きちんと世話──出来るのかい?」

「ったりめーだろ、アタシ小学生の頃飼育係やってたんだから」

「飼育係‥? 兎とかのかい‥?」

「いんや、メダカとかそーゆーのだけど」

「メダカか──」

「つーか、オマエが掬ってどーすんだよ」

「あのままだったら、君は屋台が畳まれるまで没頭しそうだったからね──」

「んなッ‥」

「そうだろう?」

「悪いかよ」

「屋台の人や周りの人達が迷惑だろうから」

「んなこた──‥ある、か」

「さぁ、他の屋台も見て回ろう──それとも踊りに行くかい?」

「じょッ‥冗談じゃねぇ‥盆踊りなんかぜってーしねーかんなっ」

「フ‥、只訊いただけだよ」

「何でそこで笑うんだよ」

「面白いからに決まっているじゃないか」

「──‥もォ‥」

「そういえば‥肝心の神輿をまだ見ていなかったね──行ってみるかい?」

「ぉ‥‥‥‥ぉぅ」

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