《MUMEI》

「ぅぁぁ‥」





完ッ全に嫌われたぁぁ‥。





「見るに耐えない光景だね‥」

「哉っ‥!? お前抜け出して来ていいのかよ‥?」

「今は休憩時間だからね。というか‥先生があまりにお冠だから──代わりに僕が呼び戻しに行けと言われたんだ」

「‥ぅ‥」





二ノ宮先生‥

マジギレするとヤバいんだよなぁ‥。





「お嬢様は僕が説得してみるよ」

「ぃ‥ぃゃ止めといた方がいいって‥」





玲奈お嬢様もキレるとヤバいし‥。





「ぁ‥美由お嬢様に頼んだら何とか──」

「お嬢様の手を煩わせるのはどうかと思うよ」

「‥ぇ」

「僕達はご主人様の下部。僕達の仕事はご主人様に尽くす事。その反対はあってはならない。君は本当に──立派な執事になる気があるのかい‥?」

「ぁ‥あるに決まってるだろ?」

「けれど、今の君は──彼女から全く信頼されていない」

「!‥」

「教わったろう? 『主人に信頼されない執事は‥執事とは呼べない』と」

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