《MUMEI》

──3分後。





僕達は

また屋台の所へ戻って来ていた。

通りはまだ人々で賑わっていて

一番奥の方では

何かが催されているらしかった。

「何か欲しい物はあるかい?」

「別に」

「───────」

珠季は遠慮がちだからな──。

「──よし」

「ぁ‥?」

「今夜だけは──遠慮は無しにしてくれ」

「は‥?」

「祭なんだから──せめて今夜位は気兼ねせずに──」

「やーなこっ・たっ」

「なっ‥!?」

「アタシは、オマエとこーやって歩いてるだけで十分なんだっつの」

「───────」

「分かってんのかよ?」

「ぁぁ‥‥‥」

そうだよな──

こうして2人であるくだけで楽しいんだ。

なのに──‥。

馬鹿だな──

僕は‥。

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