《MUMEI》

まだ戸を開けない内から、

何か騒いでるみたいな声が聞こえてきた。





「‥入んねーのか」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「──ほら、入んぞ」

「ゎ‥っ」





桐生は、

アタシに引っ張られて教室にに入った。





そしたら、

教室が一気に静かになった。





それから、

女子達のクスクス笑いが聞こえてきた。





あたしはポカンとして、

机に向かった。





でもその時、

桐生があたしの肩を掴んだ。





「芙原さん‥」

「‥放せよ」

「これなんだけど‥」

「‥‥‥、!?」





──黒板。





黒板に、

でかでかと赤いチョークで‥

相合傘が書かれてあった。





中には、





【芙原緋色】

【桐生光喜】





あたしら2人の名前。





「‥何だよ、これ‥」

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