《MUMEI》 連絡網「このキス魔」 「お前が適当なチョコを作るから、口直ししただけだ。来年はもう少しましな物を作れ」 「そう言う忍はホワイトデーは手作りなんだろうな?」 俺の言葉に、忍はニヤリと笑った。 「…俺が作ったレベルに来年合わせてみるんだな」 そんな捨てセリフを吐いて、忍は帰っていった。 散々文句を言った俺のチョコは、既に食べ終えていた。 (朝から疲れたな…) 俺は、ぐったりしながら登校した。 そんな俺に 「祐也おはよう!朝から激しかったんだ?」 「…はぁ!?」 絡んできた祐を、俺は睨みつけた。 「だって、忍さん来たんだろう?」 「…何で知ってる?」 「ばーちゃん経由で連絡網回ってきたから。 『祐也は忍さんと朝からラブラブしてるから、今年は早朝訪問しない事』って」 「…何だそれ」 「忍さん、ばーちゃんと仲良くなったみたいだよ」 (…最悪) 軽くめまいがした。 「そういえば、お前昨日どこに泊まったんだ?」 現実逃避の為に、話題を変えてみた。 「俺は昨夜から雅樹とラブラブしてた」 祐は満面の笑みで報告し、去っていった。 前へ |次へ |
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