《MUMEI》 そいつは天荒「天荒君、またかね…」 はげちらかした頭を抱えるのは、この安田小学校の校長、安田やすこである。 「あのPTA会長を黙らすには莫大な金と10匹を越える牛を献上せねばならんのですよ?」 深いため息を吐くやすこ。その息はモルボルより臭いといわれている。 天荒はたまらなくなって校長室の窓を蹴破り逃げた。 「ちょ、天荒君!」 天荒の姿はもうなかった。逃げ足だけは天下一品だ。 「もうっ、あたしの気持ちも知らないで………!」 前へ |次へ |
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