《MUMEI》

「‥何だよお前、いきなり‥」

「芙原さん──何かい辛そうだったから‥」

「は‥?」

「ぁ‥‥‥僕なんかといてもつまらないよね‥。じゃあ‥僕どこか別な所に──」

「待った」

「ぇ‥‥‥?」

「教室戻ったって、またからかわれんだろ」

「───────」

「ここにいな、でもあたし向こうで食うかんな」





あたしは、

桐生からなるべく離れた。





別に‥

隣りで食ってもいいんだけど。





何かハズいし‥‥‥。





ていうかあたし、

ほんとはセンパイが好きなはずなんだけど‥。





‥そうだ。





あたしが好きなのはセンパイ。





でも‥‥‥

あいつの事も‥

嫌い‥

じゃない‥。

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