《MUMEI》
10話 1日だけの家庭教師
昼食の後、

僕は珠季の家に向かった。

「──ここだな──」

久し振りだ。

ぃゃ‥

送り届けて良く来てはいたけれど‥。

けど、

中へ入るのは初めてだしな‥。

珠季──

起きているといいけど‥。

そう思いながら、

インターホンを鳴らす。

「‥‥‥‥‥‥‥」

応答が無いな‥。

もう1度押すか‥?

「───────」

もう1度、

鳴らした。

けれど、

結果は同じ‥。

「ッ‥」

誰もいないのか‥?


ぃゃ‥

少なくとも珠季はいる筈だ。

まだ寝ているか‥

聞こえていないか‥。

色々と考えながら‥

インターホンを鳴らし続けていたら。

「だぁーッうっせーんだよてめーはっ。何回鳴らしゃ気ぃ済むんだよ!?」

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